彼女は存在しない/浦賀 和宏/★★☆☆☆

学生時代(10数年前)、多重人格を卒論のテーマにしようとしたことがありました。その当時はとってもそういうこと(多重人格や心理学や精神異常や脳の不思議など)に興味があったので、それっぽいテーマの本を読み漁ったりしてたなー、と懐かしい。とっくにマイブームが過ぎ去っている“もういいよ”感もさることながら、20歳そこそこの自分の自意識過剰なところとか、当時の怖いもの知らずの若さにまつわるエピソードなどが思い出されて、何とも痛々しく全身かゆい気持ちで読み終えました。そういう記憶の扉を開いてしまうような、稚拙な文章だったというか。

あと、トリックに関しては中盤で大体予想がつくのだけど、まさかそうなるとは思ってもみませんでした。クライマックスはまだかまだかと思っているうちに終わってしまった感。えええー。あとね、解説で某有名作品にも引けを取らないとか書かれてますけど、それはないわー。

あ、卒論ですけど、かなり専攻とかけ離れているので、結局適当に落としどころを見つけて別テーマで書きましたよ。どうでもいいか。