とっても不幸な幸運/畠中 恵/★★☆☆☆

私は同著者の『しゃばけ』シリーズが大好きで、ずっと夫に薦めているのだけれども一向に手に取らない。ある日、その夫がシリーズ以外の作品を購入してきたのでどんだけ天邪鬼なんだよ、と思いつつ借りて読む。

新宿にあるとある“酒場”を舞台に繰り広げられる物語。店長の娘の典子がある日持ち込んだ不思議な缶詰をきっかけに、常連客がそれぞれ不思議な事件を起こす。店長を中心にみんなで謎を解いていくが…。

うーん、畠中恵のファンタジーはやっぱり『しゃばけ』シリーズが一番だなあ。江戸の市井モノでこそ本領が発揮されている気がする。それともあの印象が強すぎるからなんだろうか。現代の物語とファンタジーのからみがどうもうまくないし、人間模様やエピソードに無理がある。なんとも残念でならない。