さよなら妖精/米澤 穂信/★☆☆☆☆

夫のオススメミステリ月間でございます。さてこれが初の米澤穂信なんですが。一時期Amazonさんか何かのレビューで彼の作品に興味を持ったことがあったのだけど、例によってラノベ嫌いの私はずっと敬遠しておりました。ついにハルキ文庫に手を出したというのもあって、いい機会なので薦められるがまま読んでみることに。

まあ、結果としましては残念ながらダメでした。敗因は、直前に読んでいた『神様のパズル』と似た設定だったということでしょうか。謎のユーゴスラビア人とツンデレ美人の間で揺れる高校生男子。もちろん詳細は全然違うけど、とにかく私は煮え切らない三角関係をにこやかに見守れるほど人間ができておりません。その都度イラッときちゃうのは何ででしょうね。性格の問題?

あと、語り口調(言い回しや例えなど)がとても大人っぽいのに、年齢設定が10代、というのにものすごく違和感を感じた。これが20代後半の大人たちの物語だったらもっとすんなり受け入れられたのかもしれない。17歳とかで冷酒のうまい飲み方とかつまみの話とかされても、へー、あっそ(ホジホジ)とかになっちゃうし。お友だちの話によりますと、『さよなら妖精』は米澤穂信の著作の中でもだいぶマシな方で、これがダメなら多分全部ダメだと思うよ、と言われました。残念です。

つまり私自身、青春小説を読むことに慣れていないというか、10代が主人公という設定そのものがあんまり好みではないということなんじゃないかと思います。やっぱラノベはダメなんだろうな。あ、根本ともいえる日常的なミステリを解いていくという部分では特に不満はありません。