笑う招き猫/山本 幸久/★★★☆☆

20代の女性二人が漫才コンビを組み、貧乏やセクハラやライバルと戦いながら絆を深め、頑張っていく物語。
自分自身も音楽を目指していたことがあるので、バイトに明け暮れてどこへでも自転車で出かけていったアマチュア時代のことを思い出して懐かしくなった。見ず知らずの人に「サインください」と初めて言われたときのあのくすぐったさや、事務所が良かれと思って出しているのであろう理不尽で絶対の指示や、自分たちのふがいなさなど、リアルによみがえりすぎて返ってつらい部分もあったけど。あー、いろいろあったなー。という、私にとっては記憶の扉が全開にされてしまう、ほろ苦い物語でした。