幻夜/東野 圭吾/★★★★☆

読みながら「あーなんかこれどっかで読んだことあるわ…というかむしろ白夜行?」って思ったら案の定繋がってるっぽいです。でも全然別の物語として完結してるので、気付かない人もいるかも。気付かなくても損はしないけど、知ってると面白い。まあ私も気付いたというより雰囲気で感じた程度。とにかくサクサク読み進みました。私はどうやら東野圭吾が好きっぽい。

阪神大震災のどさくさに紛れて人を殺してしまった雅也は、それを目撃していた美冬と共に東京へ逃げ出し、“二人の幸せのために”裏街道をまっしぐらに進んでいくが、美冬の過去が少しずつほつれ…。という物語。美冬の底知れぬ恐ろしさは、白夜行の桐原を彷彿とさせる。すべてにおいて用意周到で、誰も信じない。美冬が目指しているものが一体何なのか、誰にもわからない。
謎の正体をなかなか明かさずに話が進んでいって、後半それらが絡み合っていく感じはパズルが解けていくようでテンションが上がる。あと、ところどころに出てくる“具体的に描写されない”部分が余計に怖い。いろいろ想像をかき立てられて。

どうやら3部作らしいという噂なので、3作目となる次作が楽しみです。真実かどうかは知りません。