真夜中のマーチ/奥田 英朗/★★★☆☆

ヨコケンの主催した出会い系パーティに出席していたダメリーマンのミタゾウ、そして謎の美女クロチェの3人がなぜか手を組んで10億円を強奪しようとするが…。というドタバタコメディ。

奥田の商業的な売れセン小説を読みたくなって読んでみたのだけど、うん、まあ予想通りという感じ。2時間モノのドラマとかにありそう。エンターテイメントとして何も考えずに読みたいときにいいと思いました。

自分で読みたくて読んでるのに斜に構えて「どうせこれ系だから」と見下しているような、アタシ何様?的感覚を持ってしまうのはひねくれモノの性みたいなものなんですが、さすが奥田はプロというか、そんな私も気付けば彼らの危機にハラハラが抑えきれなくなっていったん本を閉じて深呼吸してしまうような物語の展開具合だったので、私なんぞはすっかり奥田マジックにやられてしまうような一小市民なのだなあと改めて思いました。とはいえなんか負けた気がするわー。

ただまあ、クロチェが甘ちゃんすぎてイラついた。もっと隙のない美女にすべきだと思うけどなあ。