ハードボイルド・エッグ/荻原 浩/★★★☆☆

ユーモアミステリってあんま好きじゃないのに、たまたま出先で長時間の移動に耐え切れずに本屋で間に合わせで買ってしまった。初めての作家を読むときはアリかナシかの二つの答えしかないのだけど、荻原浩に関しては、微妙。不思議な作家だ。なんなんだこの感じ。面白くないと思っているのに、ぐんぐん進む。
しょっぱなから、文章で笑わせようとしてるのがわかった時点で私はもっすごい冷めてしまうので、全く笑えない。「あー、こりゃ失敗だわ…。このペースで行くと読了すんのキツいなー」って思いながら読んでいたはずなのですが、なんといいますか、気付いたらすっかり前のめりでページめくってました。おっかしいなー。
まあ、展開もラストもベタなので、帯に書かれているような「声に出して笑う」なんてことはないし、事件も驚かないしラストも号泣できないし、なんともないのですが、読み終える頃にはすっかり荻原モードにスイッチが入ってしまって、この調子で自宅にある荻原浩(同居人所有)を読み始めそうになったのでおっと危ない危ない、京極と京極の間の箸休め(失礼)のつもりだったんだ、と軌道修正しました。
まあ、軽いノリで流す感覚で読めたので良かったのかもしれない。たまたまつけてたTV番組を最後まで観ちゃったような感覚かな。また近いうちに別の作品も読んでみよう。