ロバに耳打ち/中島らも/★★★★☆

たまたまぽっかり時間が空いてしまったので、急遽書店にて調達。さくっと読めそうな軽い本がよかったのだけど、これはその主旨にぴったりだった。何かの雑誌に連載してたコーナーが本になったっぽいです。
らも氏のエッセイはたぶん半分くらい読んでいるけれど、わざとなのか他にないからなのか狙いなのか知らないが、だいぶネタがかぶっていて「またこの話か…」と思うことが多い。これはひとつのネタに対して4ページぐらいだし、既読のネタも非常に簡潔で起承転結がきちっとしているのでテンポ良く読める。
ところで私はらも氏の波乱万丈なネタ人生の話を聞くのが大好きだ。葉っぱで捕まって出てきてすぐに行われたイベント『らもはだ(@新宿ロフトプラスワン)』は、すごくすごく危なっかしくて面白くって「うっわこれ絶対毎回来よー!」って心に決めたぐらいだったのに、その矢先にらも氏は酔っ払ってすっ転んで死んじゃった。でもまあ彼らしいネタっぽい死に方な気がするし、それはそれでいいのかもなあ。
というわけで若干しんみりしてしまいましたが、この本のどのネタも面白いです。はからずも声に出して笑ってしまったのは、らも氏が『メイドを雇って奥さんのいない間にあんなことやこんなことなどいけないことをたくさんしたい』という妄想です。「ああそんないけませんだんな様!」とかいうベタベタな台詞も出てきます。そんで奥さんに原稿読まれて数日口きいてもらえなくなったりしてます。やっぱりバカだこいつ!