さまよう刃/東野圭吾/★★★★☆

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去年の年末に、甘い恋の人(id:amaikoi)から「まあこれは読んでおいてもいいんじゃないの」と言われていたような気がするのだけれど、彼の作ってくれた『たあちゃん(に読ませたい本)リスト(http://d.hatena.ne.jp/amaikoi/00010100)』の中には入ってませんでした。よく覚えてた私。

なんか久々に本読んだーって感じ。最近文庫の持ち運びの楽さを知ったせいで分厚いハードカバーを読むのがおっくうだったんだけど、読み始めてみたらなんてことなくてさくさく読めた。登場人物の細かい心理描写がするっと入ってくる。幅広い年齢層の登場人物を丁寧に書き分けてあって、それぞれの世代同士は分かり合えてないのに読者は全員の気持ちを理解して把握できるようにできてるってすごいなあ。すごく読みやすい。

レイプの末に殺された娘の父親が、犯人に復讐する話。レイプシーンがえげつないって聞いてたけど、そうでもないかな。まあひどいはひどいんだけど。一番衝撃的だったのは、犯人と一緒に長野に潜伏してた女の子(一度レイプされて脅されていたにもかかわらず、一緒にいて楽しかったと語った)の心理かなー。わかりたくないけれどもそれはそうなのかもしれない…と思ったり。

少年法や被害者に優しくない法律やメディアのあり方についてはいろんな人たちが語りつくしてるだろうけど、やっぱり理不尽な法律なんだろうなあ。私だって同じ立場に立ったら「復讐とはいえ人を殺しちゃダメ」なんてキレイ事言ってられないと思うし。

足立区の女子高生コンクリート詰め殺人事件?の犯人(当時10代)が成人した後にシャバに出て、いい年してやっぱりまた犯罪を繰り返したってニュースをちょうどこないだ見たばっかだから余計なんだけど、本当に犯罪を犯して悔い改められない人っていうのは絶対にいて、でもそういう奴らに与えられる刑はたぶん罰ではなくて、刑期さえおとなしく終えれば更正したと見なされてまた社会復帰できちゃうっていうのはやっぱりどうしても心情的に許せない。目には目を歯には歯をだろ…! それが一番犯罪を減らすんじゃないの? いやーとはいえさあ…みたいな、まあとにかくいろんな意味で不毛な物語でした。悶々。


さて、今年は年間で100冊読もうと思ってたけどどうかなー。このペースじゃ達成できなさそう。平日会社帰りにご飯食べながら丸々1冊読み切ったり、週末2〜3冊カフェに持ち込んで1日かけてお尻が痛くなるまで読んだりしてた頃が懐かしい。今となっては図書館の返却期限が過ぎても読み切れないなんて…。やりたいことが増えたってことはまあいいことなんですけれども、しばらく本離れしてるとさすがに焦るね。でもこの本をきっかけにまたがつがつ本が読みたくなったので、とりあえずは借りっぱなしの積読を消化したい。
っていうかしばらく感想書いてないと、書き方を忘れる。