カワイイもの好きな人々。(ただし、おじさんの部)／山下哲／★★★★☆

「ほぼ日刊イトイ新聞(http://www.1101.com/kawaii/)」の一コーナーを本にしたものだそうです。今知ったんですけど。

30歳以上、上は70代までの「おじさん」が、カワイイ！どうにもかわいくて仕方なくてもうどうしようもない！と思っているものを自慢するという本。著者の山下氏がいろんな人のところへ出かけて取材するのですが、山下氏自身は「動眼」と呼ばれる、ぬいぐるみなどについている黒目が動く目のシールをいろんなものにくっつけてカワイイ！と悶絶しているおじさんです。主にピーマンとか電話とかバナナにつけるんですが、めっちゃカワイイです。

ここに出てくる、「カワイイと思える趣味」に没頭しているおじさんは、みんなすごくキュート。山下氏とのやりとりも実にかわいらしくて、一歩間違えるとキモイとか怖いとかヤバイ域に達してしまうのですが、そのスレスレのラインを保っているおしゃれなおじさんばかりです。おじさんになってもこういう感覚を持っている人って素敵だなあと思わずにいられません。

私が一番カワイイと思ったのは、トールペイントをしているおじいちゃん。バリバリのべらんめえ口調で、「アンタ、男のクセにカワイイなんておかしなこと言うねえ。ほれ、韓国食いな韓国（キムチのことらしい）」って言ってるそのたたずまいが一番かわいいんだってば。
写真の上に手書きで絵を描いて合成させる「絵写真」を作るおじさんや、古い海外の絵本を収集してるおじさん、吉祥寺でオーダー絵を描いているおじさんも良かった。私の大好きな吉田戦車氏も取材されていました。

ちなみに今サイトを見たら、青山ブックセンター本店で今日トークイベントがあったそうです。なんという運命のいたずら。今日だなんてショックすぎる。

あと、山下氏の著書『ファイヤーキングマグ図鑑』が欲しいです。っていうかファイヤーキングのマグが欲しいんです本当は。それにしても高すぎ。