できればムカつかずに生きたい/田口ランディ/★★☆☆☆

できればムカつかずに生きたいISBN:4101412316
読んでてずーっと、なんかどっかで読んだことあるなぁと思っていたら、ウェブコラムで読んでた。ような気がする。ところどころ読んだことがあったりなかったりしたから、たぶんそうだ。
田口ランディの小説は本当に本当に好きなのだけど、やっぱりコラムになるとどうもつまらなく感じてしまう。なんか、同じことを繰り返し言ってるだけなんだよね。や、もうそれわかったから。っていう。「私はアホなので」というエクスキューズも鼻につく。そういうこと何度も言わなくていいのになぁ。「あなた様はさぞお頭がよろしいのでしょうけれども」っていう皮肉たっぷりでムカついちゃうよ。タイトルに反して。
でも、彼女のお兄さんが社会に適応できなくなって、しかも餓死という自殺方法を選ぶまでの話は何度読んでも「そうか。」って思ってしまう。身内が壊れていって、その影響で家族が壊れていくなんてとてつもなく悲惨だけど、それを書こうと思えて、実際書けるということはすごいことだ。ある意味で悟ってる人だとは思う。
シャーマンにしても壊れた人の心にしても、そういうことをコラムにするよりも小説にいかした方が、より彼女の心の深い部分がリアルに伝わってくるような気がする。彼女の小説を読んでいて、それはまさにフィクションなのだけれどもノンフィクションな部分も多分に含まれている作品だと思うから。ま、「これは実話だろうな」と思わされる部分については、コラム読んで実話だったこと知ってるからなんだけどもね。