十角館の殺人/綾辻 行人/★★★★★

シリーズモノって追いかけなきゃいけないようなイメージがあって、ジャンルが何であろうとずっと敬遠してきたんですが。ついに手を出しました館シリーズ。読んでみたらビンゴ! これでした! 私はこれを求めていた! ああもっと早くに読んでおくんだった、と久々に後悔。

約20年前くらい?の作品というだけあって、時代を感じさせる描写(タバコがコミュニケーションツールとして頻出したりとか、ファッションの記述とか)が多々あって興味深かった。

まあ、そんなことよりも一番衝撃なのはトリックですよ! お見事としか言いようがない。離れ小島で7人の仲間(しかもミステリマニアたち)が一人ずつ殺されていくとなったら、当然誰が犯人なのかを推測しながら読んでいくわけだけど、登場人物たちの会話や推測に自分も参加しているような気持ちになって、結局自分の考えもそれに大きく影響されてしまっていたということなんだなー。うまいこと誘導されたというか。

いやあ、それにしても盲点でした。謎解きのシーンでは、「え? え? …ええええーーー!!!!」と本当になりました。最初は意外すぎて何を言ってるのかわからなかったぐらいで。

結論。大変に面白かったです!

それにしてもこのすばらしい作品を大学生の頃に書いた(あくまで叩き台だけど)というんだから、どんだけ天才なんだよ綾辻は、と心から思いました。これは館シリーズ全部読むしかないね。全部が全部面白いわけではない、と聞きましたけども。