12人の優しい日本人/★★★☆☆

ずっと気になっていたのに観ないままだいぶ経ってしまった映画のひとつ。TSUTAYADiscasに登録してからは、そういう見逃した映画を少しずつ消化している。


陪審員裁判員?)となった民間人12人が、ある事件についての有罪・無罪を議論しあう物語。誰かが「イライラした」という感想を書いていたけれど、なるほど私もものすごくイライラした。全くもって議論になってないっぷりが。有罪か無罪か、とりあえずどちらかのゴールが決まっていて、そこにたどり着くまでの紆余曲折を楽しむ作品であるのはわかってるけども。三谷幸喜はこういうドタバタ作らせると天下一品だわー、と改めて思った。
12人のキャラクターがまたそれぞれの方向に突出していてもちろんそれはかなりデフォルメされてるけど、いるいるこういう人いるわー。それはそれで面白いんだけど、話が一向に進まないのがもどかしい。実際に日本で裁判員制度が導入された場合のシミュレーションみたい。おそらく現場はこれに近くなるんだろうなあ、白熱しないまでも「じゃあそういうことで…」とぬるい感じで決まったりするんだろうなあ、自分が選ばれたら憂鬱だろうなあ、なんてことを考えた。「私の一票が被告を死刑に追いやったのかと思うと後味が悪くて…」という委員長の発言がすごく重たい。

あと何よりも、若かりし頃の豊川悦司がものすごくかっこよかった。あれはやばい。

元は舞台でその映画化されたものがこの作品だったわけで、その後も舞台で再演された(コレ)みたいだけど、今になってすごく観たかったなあ、などと改めて後悔している。このメンツでどう出来上がったのか、興味あるわー。