わたしの旅に何をする。/宮田珠己/★★★★☆

わたしの旅に何をする。

あまりの旅好きが高じて、会社を辞めて旅三昧の人生を送っている宮田氏の旅エッセイ。どこかでこの人のエッセイが面白いと聞いて早速読んでみたのですが、なるほど面白い。なんというか、テキストサイトっぽい。いやそもそもテキストサイトがどんなものなのかなんて私もよくわかっていないのですが、なんせっぽいのだからっぽいのです。もう、そうとしか言いようがない(半ばヤケ)。

具体的にいうと、話がどんどん横道に逸れていく感じとか、自虐ネタとか、読者の脳内ツッコミありきの猪突猛進的なボケとか、それを無理矢理軌道修正しちゃう力技とか。こいつは本当に愛すべきキャラだなあと思わざるを得ないというか、実際に会ったら両手で頭をはさんで「コンニャロー!」ってな具合に髪の毛をわしゃわしゃやってグチャグチャにしてやりたいような、言わば愛犬的なかわいがり方をしたい方です(ちなみに10コぐらい年上です)(おっさんです)。

ちなみに実際に会ってもこのキャラのままだったら友だちになりたい、っていうエッセイストは今のところ宮田氏と泉麻人酒井順子みうらじゅん中島らもいとうせいこうです。らも氏はもう亡くなってますけども。というか今までに読んだ本の絶対数が少なすぎてそれ以外面白いエッセイを書く人を知らないだけなのですが。念のため言っておくと、実際会っても友だちになどなってもらえるはずがないだろとかいう現実的なことは考えてません。あくまでも仮定の話です。