アフター・スピード―留置場‐拘置所‐裁判所/石丸元章/★★☆☆☆

アフター・スピード―留置場‐拘置所‐裁判所

同著者の『スピード』を読んであまりのキチガイっぷりにびびりまくってガツガツ読みふけったのが3〜4年前。その後の彼はそういやどうしたんだろう、とフと思い出したので続編を読んでみたのだけれど、冒頭の逮捕シーンが一番臨場感にあふれててドキドキするけど、あとはもう普通の獄中手記って感じでありふれた内容。まあそれがリアリティなのかもしれないけど。やっぱり誰かがヤバイことをしているところや、誰かの狂った頭の中身を覗き見るのが一番興奮するんだろうな。要は、捕まった後のことや狂っていない頭の中のことはそれほど面白くないです、はい。

なんでこんなに私がこのネタに食いつくかっていうと、なぜか子供の頃から『スピード』の中に書かれていることと酷似したエピソードが私のごく身近に転がっていたからに他ならないのですが。
私の田舎には怖い大人がいっぱいいるのですが、まあそれが同級生のお父ちゃんだったりすることも多くて、○○ちゃんのお父ちゃんが「玄関に大量のゴキブリがいるーーー!!!」って突如大声で叫び出して自分の家に火を放ったり、はたまた△△先輩のお父ちゃんはそのせいでコップで農薬かっくらって橋の上からダイブしたのよって母親に聞かされたり、上京してからも知り合いの女の子が最近激痩せしたなあと思っていたら幻聴が聞こえ始めて「痩せ薬」だと思ってたはずなのに実はアレでもうやめられないところまで来てるんだどうしようって相談されたりとか、会話がそういえば支離滅裂だなあと思っていた元彼が隠し持ってた注射器を私がうっかり発見したりとかそういうアレだったんですがまあどこまでが私の嘘でどこまでが真実かはお察しくださいあの地獄を思い出したら死にたくなりました。

それにしても『スピード』に書かれてるアレって特別なことじゃなくて、手を染めた人は本当にみんな同じような経緯をたどって頭がおかしくなっていくんですね。幸いワタクシ生まれは北関東ヒップホップ育ちですのでリアルから学ぶことが非常にたくさんありまして、街中でそれらしき人を見分けるスキルが身に付きましたし、まっとうに生きてこられて本当によかったと思っています神様ありがとう。ってすっかり感想じゃなくて妄想日記になっちゃってますねいやあ参考にならなくてどうもすいません。