黄色いドゥカと彼女の手/原田 宗典/★★★☆☆

『時々、風と話す』の続編なのかな? まあ同じような感じの短編集ですが、私は前作の方が好み。っていうかこっちは男女のアレやコレは少なめです。後半はまったく主旨が変わってきてます。
ふうん、まあどれも無難かな…なんて油断して読み進めていましたら、やられました。「ママ、ドントクライ」と「パパ、ドントクライ」ですよ。「ママ〜」の方はまったく予想してなかったので、不覚にも通勤ラッシュの電車で泣きました。「パパ〜」の方は読んでいていきなり記憶の扉がばっくり開いちゃって、幸せな幼児体験がよみがえってきました。そういえば実家にもスーパーカブがあって、荷台に乗っかったことあったよなあ、とかね。
あと「エンジェル・エンジン」を読んでいて昔の先輩が後ろに乗っけてた彼女をバイクで死なせちゃったことやその友だちが自殺しちゃったことなどが唐突に芋づる式に思い出されてしまいちょっとブルーになった31歳の夜です。