恋愛寫眞/★★★★☆

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惜しい! すべてにおいて惜しいのです!
堤幸彦という監督の『ケイゾク』に衝撃を受けたことから始まり、その後『I.W.G.P.』や『ハンドク!!!』、『トリック』、『愛なんていらねえよ、夏』などなど様々なドラマを見てきたのですが、あー、なんていうか。堤節は『ケイゾク』と『I.W.G.P.』だけでもういっかな…的な…。気がしてます。

写真部の誠人(松田龍平)は、大学の構内で出会った魅惑的な女の子シズル(広末涼子)に夢中になり、一緒に暮らし始める。いつしかシズルもカメラに興味を持ち始めるが、誠人は彼女の秘めていた天才的な写真の才能を目の当たりにし、その才能に嫉妬し、彼女と破局を迎える。3年後、あるきっかけで誠人はシズルの消息を追ってN.Y.へ渡るが、そこに待ち受けていたものは…。なぜ現在の誠人がシズルの名を名乗っているのか、を回想していく映画です。

えーとですね。この映画はぶっちゃけヒロスエ・ザ・ムービーなんですけれども。100歩譲ってそれを受け入れまして、物語に集中してみたのですけれどもね。やっぱ広末は男を振り回す不思議ちゃんの役がハマるのよね。悔しいけど。この小悪魔め! …って集中できてねー!

もうね、アヤ(小池栄子)のシーンとかまったく別物の映画になりつつあるあたりとか言いたいことはいっぱいあるのですが、シズルの撮った作品のあの素晴らしさ(リアルでは齋藤清貴氏というアーティストの作品です)と、キーワードの活かし方、誠人とシズルがシンクロしていく加速度、そして最後の「ハズレだった…」「ハズレだね」という二人のやりとりに撃ち抜かれてしまったので、まんまとはめられた感じです。
でも大満足はできない。なぜなら惜しいから。うーん。堤監督はそういえば『ケイゾク』の映画でもこういう作り方をしてたような気がするぞ。この違和感さえなければすごくいいのに! っていう。でもあの違和感こそが堤作品なのかしら…。微妙だー。


結論: 齋藤氏の写真集がものすごく欲しい。


あ、あと松田龍平、すごい良かったです。今まであんまり好きじゃないなあって思っていたのですが、それが払拭されました。なんか出してます。