Dinner Rush

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トライベッカにあるイタリア料理店での人間ドラマ。レストラン経営の裏でノミ屋を営むオーナーは相棒がギャングに殺されたのを機に引退を考え、その息子の天才シェフは料理記者にゴマをすりながら世代交代を焦り、副シェフはバスケ賭博に身を持ち崩し、アーティスト志望のウェイトレスは自分の描いた絵を店に飾り、バーテンはうんちくでチップをはずませる。
レストランという群像の中には多種多様のドラマが介在する。そのコラージュはどれも暗いけれどもリアルで、監督のリアリティの追及の仕方には年の功を感じた。愛や感動ではなく、いやもちろんそれもあるのだろうけれど、ひたすらに事実がそこに存在している。そうやって人はメシを食い、生きる。それこそが人間のドラマだ、というようなこと。
最後は本当に本当にドンデン返しで、びっくりした。淡々としているこの映画にこんな仕掛けがあったとは。スッキリしたような、それでいてその事実が現実にありえる可能性に、釈然としないような。そんな印象の映画。ま、地味だけど。
てか副シェフの俳優がどうしてもニコラス・ケイジに見えて仕方なかったんだよねー。