ダム決壊

1年以上封印していたんだけど、なんとなく思い出して、昔やっていた音楽を掘り返して聴いていたら、なんだかものすごく加速してしまった。
データとしての記憶だとばかり思っていた(あるいはそう言いきかせてきた)ものは、私の鼓膜を通して感情のど真ん中に台風を巻き起こしてきた。正直自分でも驚きを隠せない。
確かにあの頃の私は、人生のすべてをかけて音楽をやっていた。ストイックに、カッコイイ音を作り上げることだけを追求していた。ステージパフォーマンスでも同じようにあらゆることをやった。すべてに対してもっと挑戦的だった。ケンカを売っていた。常に躍動し前傾姿勢だった。たとえばそれがパートナーの大いなる影響を受けていたとしても、私はそのプロジェクトの核心部分に存在し、自分たちが発信源であることが誇りだった。
保守的な感情なんて微塵も存在していなかった。迎合し、しがみつき、媚び、脳みそだけで考えることを覚えた私はなんと腐ってしまったのか。まるっきり抜け殻じゃないか!

もはや感情のダムはいっきに決壊した。だからもうロングバケーションは終わりにしよう。
やっぱり私はどこまでも、音楽と舞台をとりまく全てを心から愛している。体中の血が沸騰するような気持ち。それだけで充分じゃないか。