ナイン・ソウルズ/★★☆☆☆

9ソウルズ
ISBN:B00012T1R0
私は松田龍平を『キライ』という枠でくくっていたのですが、それはあくまでも顔とかCMで見たイメージだけで、実際彼が演技をしている姿を見たことはなかった。でも、キャスティングの妙というか。私の持つイメージはそのままで、この作品の役にものすごいハマっていた。『キライ』だからこそのハマリ役。やっぱ世間は彼に対して同じようなイメージを持っているんだろうか。
9人の凶悪犯が脱走して、それぞれの行きたいところをまわって、ひとつの車で旅をする。そしてひとりずつ車を降りていく。
そもそも映画全体からほとばしるアブノーマルさと狂気から、やばいなぁ、とは思っていたんだけど。やっぱりというか、行き着く先は『死』だった。ミチルと虎吉の関係の結末がカタルシスなのかもしれないけれど、あんな形ではやっぱり切なすぎる。
最後に9つのタマシイは昇華されるけど、やっぱり後味がすごく悪い。生と死、幻想と現実の境目をまざまざと見せつけられるというか。
たしかにメッセージはあるけど、私には重すぎて受け取りたくない。

千原ジュニア、いい演技してたなぁ。板尾はちょっと恥ずかしい感じだけど。あとは、ショボいCGはいらないな。