チルドレン/伊坂幸太郎/★★★★★

チルドレンISBN:4062124424
100%本能で動いて、行き着くゴールが間違ってない人に時々出会うことがある。嵐を巻き起こしたと思ったらそれが最良の結果をもたらす、みたいな。破天荒なのになぜか人望があったりする。私は凡人だからそういう天然の天使みたいな人をスゲーなぁと思うし、憧れたりもする。凡人でありたくないと願う。存在するだけで他を引きつける人になりたいと思う。けど、頭でそう思っている時点で私は彼らみたいな人にはなれない。彼らは100%マジだから。たとえそれが計算ずくの行動だったとしても、まわりに微塵もそれを感じさせないのであれば、私の中ではそれが100%マジだし、盲目的に彼らを崇拝してしまうだろう。
しかも、いろんな問題を抱えて暗闇にもがいている人たちに、ほんの少しの光の道筋を教えてあげるような仕事をしている人、って設定がまたものすごくツボだったんだなぁと。
とにかく面白かった。生活の中にあり得ない大事件がふと組み込まれているという設定にぐんぐん引き込まれ、言葉もするすると入ってくるのであっという間に読み終えてしまった。著者と年代が近いとか、そういうのあるんだろうか。やっぱ作家の力なんだろうか。
好きな作品や作家に出会うためには、絶対量が大事であることを実感した。そして量の上に質があるんだなぁ、と。ただやみくもに図書館にある本を読みまくるだけでは全然ダメだ。あー。いっぱいいい本を読みたい。