スウィングガールズ/★★★★★


やっぱ音楽はいいなー! もっと早く観るべきだった!と心から思う。今観たから手遅れというわけではないのだけれども。この素敵な気持ち、もっと早く味わいたかった!という。

田舎の、どうしようもない女子高生の集団がどういうわけかビッグバンドをやる羽目になって、いつの間にか打ち込んで…という青春コメディ。ベタだけど、そのベタさを存分に楽しめる。彼女らが校舎から出てきて大泣きするシーンは、ジンとくるモンがありますね。元々ブラバンなんてやりたくなかったけど、それなりにやったし実際合奏する楽しさがわかってきた矢先だっただけに、切ない。
あとあれだ、舞台がド田舎で、方言丸出しだからこそ登場人物たちに好感が持てるんだと思う。あざといっちゃあざといけども。バリバリ標準語でおしゃれな東京の高校生が主人公だったら、「ケッ、なにさ気取っちゃって」という気持ちが拭えなかったと思う。まあ、私がひどい田舎コンプレックスを持ち合わせているせいなんですけどね。それにしても「最初の印象が最悪」→「ひょんなことから何かやる羽目に」→「いつの間にかすげー頑張って打ち込んでる」という王道の加算式にまんまとはまってるなあ私。もうみんなかわいくてかわいくて。
実際にキャストが演奏してるっていうところも、リアルで役者さんが頑張って練習したんだなーと想像できて好ましい。みるみるうちにうまくなっていく様は、やっぱり圧巻です。最初は「どうせ手パクだろ?」と引きぎみで観てたんですが、やけに運指がリアルなんで「もしかしてちゃんと弾いてる…?!」と気付いてから急に私の中での株が上がりました。まあ、「弾ける子をちゃんと選んでるんだよ」っつうのは言いっこナシでひとつ。

私も管楽器のひとつやふたつ弾ける(吹ける)ようになっておくんだったなあ。中学のときブラバン部の子に楽器(トランペットとサックス)を触らせてもらってやっと音が出るくらいの段階でマイ楽器が欲しくなって楽器店に向かったところ、「アルトサックス/30万円」の値札を見て泣く泣く帰宅して以来、いまだにいつか弾けるようになりたい楽器リストに入ってます。死ぬまでにはまともに弾けるようになりたいです。キャンディー・ダルファーばりのおばあちゃんプレイヤーに。