陽気なギャングが地球を回す/★★★☆☆

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主要キャストは、成瀬→大沢たかお、響野→佐藤浩市、雪子→鈴木京香、久遠→松田翔太松田優作の次男、つまり松田龍平の弟)、祥子→加藤ローサ、地道→大倉孝二、田中→古田新太。ちなみに学生時代の同級生がレポーター役で出ててびっくりして大声出しちゃった。周りの方すみませんでした。
このキャスティングでの陽気なギャングたちが楽しみだったというのが映画を観る一番の目的だった。大体イメージは合ってるし。久遠だけは初めて見る役者さんだったので不安に感じたけど、まったく違和感なくなじんでた。
全体から発せられるレトロポップでおしゃれな感じやそういうこだわりはとても好きなのだけど、肝心の本編はあまり納得できるものではなかった。つうかさ、いろいろ変えすぎでしょ。慎一を小学生という設定にしたのはまあ許せるとしても、神崎の存在そのものが違っていたり、死んだはずの林が生きてたり、グルーシェニカーが登場したにも関わらずまったく活かされなかったり、地道のダメっぷりが違うベクトルだったり、つうかラストシーンのドタバタも銃で撃つ意味も全然わかんないし、響野があのタイミングで救急隊員の格好できるはずないし、元々映画館で起きた爆発物事件の犯人が逆恨みして邪魔してくるのとか、裏の裏をかくはずの計画が筒抜けだったり、冷蔵庫に象とかキリン入れるエピソードも別にいらないし、まあメキシコ逃亡はどっちでもいいや。なんというか、原作と映画に多少の違いが出てくるのは仕方のないことだというのはわかるのだけれども、もっとこう、やりようがあるだろ、という。変えるのであればそれは何らかのプラス要素があるはずで。けれどもこの映画に関しては変えた意図がまったくもってわからないし、それによって全部がグダグダで穴だらけになってる。あの4人の「スマートさ」が失われ、そしてそれによって得られる「痛快さ」が半減してしまった。とりあえず映画化にあたって上のほうの偉い人が気分でちょっといじりたくなっていろいろ変更しちゃって、収拾ついてないけど「これですごくよくなった」的なこと言い出して誰も反論できずに映画完成しちゃった感じ。報われないぜ、これは。原作の伊坂氏はどう感じたんだろか。かわいそうすぎる。
本当に、素敵な作品だしキャラたちは大好きなのに、こういうひどい作り方をされちゃうと、もうこれはあくまでもキャラ貸しの別物と考えるしか落としどころはありません。あれだ、ディズニーのキャラ使ってる英語教材、みたいな。なかったことにしてもらいたい。

あ、あとビリヤード指導は調布クラウドナインの林プロでした。